はじめに
Horizon Forbidden Westは、Guerrilla Gamesが開発した高い注目を集める3Dアクションアドベンチャーゲームです。ゲームの特徴の1つは、オープンワールド全体にわたる22時間にもおよぶ印象的なシネマティックコンテンツです。この記事では、ゲームのシネマティック体験における高い視覚的な品質と物語性を維持するために、開発チームが使用した原則、ツール、プロセスについて詳しく説明します。
キャスティングプロセス
Horizon Forbidden Westのための堅牢なキャスティングプロセスを確立することが不可欠でした。チームは、パフォーマンスキャプチャーに重点を置き、俳優がキャラクターの動機、バックグラウンド、身体能力を効果的に伝えられるようにしました。キャラクターの容姿、コミュニケーション能力、適応性などの要因を評価するため、ナラティブチームと連携したキャスティングシートを使用しました。
脚本分析とストーリーボード
開発チームは、ゲームの脚本を徹底的に分析し、キャラクターの目的、ナラティブの節目、創造的な調整の機会を特定しました。一貫したビジュアルスタイルを確立し、ナラティブ、アート、デザインチームからのフィードバックを促進するため、等角投影法のストーリーボードを使用しました。これらのストーリーボードと事前視覚化の手法は、モーションキャプチャークルーや外部パートナーが、シーンのブロッキング、カメラの配置、重要な瞬間を理解するのにも役立ちました。
パフォーマンスとモーションキャプチャー
俳優の準備は重要なステップでした。チームは、コンセプトアート、等角レイアウト、ミッションの背景情報を提供し、俳優がキャラクターとそのいる世界をよりよく理解できるようにしました。撮影中、ディレクターは俳優をガイドし、プレイアブルな目的、創造的な調整、柔軟なブロッキングを使ってエンゲージングなパフォーマンスをキャプチャーしました。COVID-19パンデミックがプロダクションを混乱させた際は、パフォーマンスキャプチャー、ボイス収録、ローカルタレントによるモーションキャプチャーの組み合わせにピボットしました。
カメラとレイアウト
Horizon Forbidden Westのシネマティックチームは、明確なカメラスタイルガイドラインを確立しました。これには、主人公アロイの紹介、プライムレンズの使用、一貫したカメラ操作などが含まれます。チームはインエンジンのカメラツールを活用して、レイアウトプロセスを高速化し、チーム全体で協力できるようにしました。さらに、キャラクターのライティングを全シーンで強固な基礎に築くために、プロシージャルライティングシステムを実装しました。
レビュープロセス
シネマティックチームは、PS4とPS5の開発キットで22時間のシネマティックコンテンツ全体を徹底的にレビューしました。時間帯とパフォーマンスをテストしながら、シーン名、フレーム番号、時刻、ビルド番号など、詳細な追跡システムを活用しました。これにより、フレーミング、キャラクターの重複、全体的なシーンの品質などの問題に対する具体的なフィードバックをチームに提供できました。
結論
Horizon Forbidden Westの開発チームは、ゲームのオープンワールド探索と完璧に融合するキャプティベーティングなシネマティック体験を作り上げる際の並外れた取り組みを示しています。堅牢なキャスティングプロセスの確立、緻密な脚本分析、そして最先端のツールと手法の活用により、チームは22時間にもおよぶゲームのシネマティックコンテンツにおいて、一貫して高い水準の視覚的な品質と物語性を維持することができました。
主なポイント:
- パフォーマンスキャプチャーと俳優の適応性に焦点をあてたキャスティングプロセスを確立
- 脚本を分析し、創造的な調整の機会を特定し、ストーリーボードを使ってフィードバックを促進
- コンテキストを俳優に提供し、撮影中にガイダンスを行い、パンデミック時にはハイブリッドアプローチに切り替え
- 明確なカメラスタイルガイドを実装し、インエンジンツールを活用し、プロシージャルライティングシステムを使用
- 全シネマティックコンテンツを徹底的にレビューし、チームに具体的なフィードバックを提供